ファイナンスの教科書と思って読むと当たり前の内容ばかりで物足りなさを感じると思うので、あくまでファイナンスの前提知識のない方向けの本という印象。
最近では、ベンチャー企業がマネタイズよりも積極投資により利益を犠牲にしてでも成長を優先するという行為が市民権を得るようになってきた。しかし、多くの日本人が思い描いているような、売上と利益を重視するという姿勢では、必要な投資がなされず短期的な利益が追求されるという、長期的な「キャッシュフローの最大化」に反する意思決定がなされてしまう。
この本は、PL重視主義(PL脳)に対して警鐘を鳴らしている。
財務や企画部門だけでなく現場のビジネスマンが、アカウンティングではなくファイナンスという視点から業務について考え、個人投資家が目先の利益のニュースに一喜一憂せずに投資をできる社会に日本がなれば、日本というエンティティ全体がより豊かになるだろう。
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