ビジネスの世界では、提案する内容と同じか、それ以上に提案する資料の見た目が重要である。
にもかかわらず、デザイナーでもなければ、ほとんどビジネスパーソンはデザインを体系的に学ぶ機会はない。
本書はプロのデザイナーではない読者層を対象として、デザインの「4つの基本原則」を説明する基本書である。
良いデザインと悪いデザインを読者に比較させて、その差異を読者に発見させるというアプローチで読者の理解を深めていく。
そうした訓練を通じて読者は、文字や図形の配置、フォントのルール、配色のルールなど、最低限外さない資料の作り方を習得することができる。
読み進めて気づいたのだが、本書に記載されている「4つの基本原則」はAdobeやPowerPointのテンプレートに確かに反映されている。
また、これらの原則は、プレゼン資料に限らず、チラシや名刺、Webページなど様々なタイプの資料に応用可能である。
原書はアルファベットを前提としているが、本書は日本語のデザインへの応用についても具体例を用いて解説されている。
この本と出合えたおかげで、自分が作成する資料の配置・フォント・色の理由を、根拠をもって説明できるようになった。
ポイント:4つの基本原則
・近接:互いに関連する要素を近づけ、一つの視覚的ユニットとして読者に認識させる。
・整列:ページ内の要素同士に視覚的な関連を持たせる。
・コントラスト:同一ページ内の要素に差異を設け、読者の視覚を引き付ける。
・反復:視覚的要素を、全体を通して反復する。
・相性の良い色の組み合わせ、6つの書体カテゴリーを意識する
目次
Chapter 1 イントロダクション
Chapter 2 近接 Chapter 3 整列
Chapter 4 反復
Chapter 5 コントラスト
Chapter 6 4つのデザイン原則の復習
Chapter 7 カラーを使ったデザイン
Chapter 8 おまけのチップス&トリック
書評一覧:目次
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