本書は第2次世界大戦における日本軍の敗因を分析した名著『失敗の本質』をよりわかりやすく解説した入門書ある。
『失敗の本質』は非常に鋭い文筆で描かれており読みごたえはあるが、読み切るにはかなりの根気とエネルギーが必要である。本書はそれをかみ砕いて、より現代的な文体とストーリーで説明してくれる。
■ 日本的組織の課題
・曖昧な指揮命令系統
・戦略と戦術の混同
・現場への理解を伴わないトップダウンでの意思決定
・過去の成功体験への拘泥
・マネジメントの意識の固定化と視野狭窄
欧米流の経営手法の導入や価値観の変化により、最近はビジネスの現場も変わりつつあるが、未だに多くの組織では旧態依然な「日本的組織の負の遺産」は残されている。
特に、ビジネスの現場において、曖昧な戦略や戦略の不在は、様々な企業において危機的な状況をもたらしてきた。
戦略が誤っていると、いくら戦術レベルで努力をしても、ゴールを達成することはできないのである。
日本人や日本企業が勝つために、「日本的組織の負の遺産」を自己反省し、それを乗り越えていくための戦略を準備するこそが必要である。
今の自分達の戦略が、正しい方向性と効率性を有していかを日々見極めながら想定外の変化にも対応できる組織だけが生き残ることができるのである。
目次
序章:日本は「最大の失敗」から本当に学んだのか?
1章:なぜ「戦略」が曖昧なのか?
2章:なぜ「日本的思考」は変化に対応できないのか?
3章:なぜ「イノベーション」が生まれないのか?
4章:なぜ「方の伝承」を優先してしまうのか?
5章:なぜ「現場」を上手に活用できないのか?
6章:なぜ「真のリーダーシップ」が存在しないのか?
7章:なぜ「集団の空気」に支配されるのか?
書評一覧:目次
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