筆者は生物学的アプローチでホモサピエンスの歴史を「幸せ」という切り口から考察する。
人類の進化に影響を与えたのが「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つの革命である。
この3つの革命が、人類の運命、そして地球上あらゆる生命の運命にどのような影響を与えてきたか、教養溢れる鋭い洞察で描かれている。
「認知革命」による虚構の創出と共有、「農業革命」により人口増加と普遍的秩序の浸透。
「科学革命」によって人類はどのような未来へと進むのか。
革命は人類を豊かにするばかりではなく、新たな悩みの種を人類にもたらしていく。
多様で「客観的」な筆者の視点から歴史を語る本書は、歴史書の固定観念を覆し、「過去をどう捉えて、未来をどう見据えるべきか」を教えてくれる。
【目次】
第1部 認知革命
01.唯一生き延びた人類種
02.虚構が協力を可能にした
03.狩猟採集民の豊かな暮らし
04.史上最も危険な種
第2部 農業革命
05.農耕がもたらした繁栄と悲劇
06.神話による社会の拡大
07.書記体系の発明
08.想像上のヒエラルキーと差別
第3部 人類の統一
09.統一へ向かう世界
10.最強の征服者、貨幣
11.グローバル化を進める帝国のビジョン
12.宗教という超人間的秩序
13.歴史の必然と謎めいた選択
第4部 科学革命
14.無知の発見と近代科学の成立
15.科学と帝国の融合
16.拡大するパイという資本主義のマジック
17.産業の推進力
18.国家と市場経済がもたらした世界平和
19.文明は人間を幸福にしたのか
20.超ホモ・サピエンスの時代へ
あとがき 神になった動物
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