本書は「イシューからはじめよ」の安宅氏がこれからの未来と、日本人や個人の戦い方を語った本。
ファクトベースの現状分析と未来予測、そこから浮かびあがる今後のスキルや教育の整理、そして、そのなかで我々が何をできて何をすべきなのかが語られる。
この本を読んでいて圧倒されるのは、安宅氏の分析のオリジナリティ、スピード感のある文体、精緻なファクト分析である。
データとAIの活用、産業をまたいだエコシステムの構築を通じた勝利を実現するために、「人づくり」と「リソース配分」をクリアしなければならないと筆者は説く。
国家規模での話ではあるが、会社組織にも当てはめることができるのではと感じたところ。
そして、読み終わった時、安宅氏の執筆のモチベーションとなったであろう、日本人への祈りや熱い想いがひしひしと伝わってくる。
未来を予予測して、現在できることとやるべきことを考え、実際に行動することの重要性を再認識させられる。
「イシューからはじめよ」を読んだ我々が身に着けたはずのアプローチ。それを一流のビジネスパーソンが本気を出して活用すると、ここまでのクオリティの分析ができるのかと読んでいて圧倒され悔しくなった。
目次
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ -- 時代の全体観と変化の本質
2章 「第二の黒船」にどう挑むか -- 日本の現状と勝ち筋
3章 求められる人材とスキル
4章 「未来を創る人」をどう育てるか
5章 未来に賭けられる国に -- リソース配分を変える
6章 残すに値する未来
書評一覧:目次
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