top of page
執筆者の写真Gary Tanaka

フルタイムMBA留学にかかる費用

更新日:2022年5月30日



今回の記事では、準備段階から、2年間(正確には約20カ月)のアメリカ留学でMBA取得にかかった費用についてできるだけ詳細に説明したいと思います。


学費は学校毎にばらつきがありますし、生活費も居住エリアによって異なりますが、この情報が参考になれば幸いです。



※簡易的にドルで支払った費用については1ドル=100円で換算しています。

 
 

TOEFL対策: 約100万円

GMAT対策: 約50万円

エッセイ・面接対策:約20万円

自習室代金:約10万円

Skype英会話:約10万円

受験料等: 約50万円(TOEFL235ドル×15回、GMAT250ドル×5回)

受験費用: 200ドル

ビザ取得費用:660ドル (F1ビザの取得手数料160ドル+業者手数料500ドル)


準備費用 合計: 約250万円


ビジネススクールに行くまでに、トータルで中古車が購入できるくらいのお金がかかりました。


8割以上はTOEFLとGMATにかかった費用ですので、英語力に自信がある方や、スケジュールに余裕がある場合はかなり費用を抑えることができるのではないかと思います。


私の場合は、TOEICで900レベルからの受験勉強開始でしたが、受験まで1年弱というスケジュールでしたので、お金で解決できるところは極力投資を惜しまずつぎこみました。


TOEFLとGMAT対策は予備校のパッケージで100万円支払い、追加で個人授業やSpeaking特化のスクールに半年通ったのでこの値段です。

正直、Reading、Listening、GMATのMath対策はそこまで必要なかったので、苦手な領域のみの講義を受講すれば20~30万円くらいのコストを抑えられたという気はします。


一方で、エッセイ・面接対策は、留学アドバイザーによるコンサルティング費用、面接練習、エッセイの校閲等の費用です。

アドバイザーを利用するには1時間あたり●万円というコンサルティング料がかかりますが、一流校を受験する場合には、過去の日本人合格者のノウハウを持っているアドバイザーを使わないということは避けられません。

私は1校しか受験していないのとキャンパスビジットはしていないので、受験校の数やキャンバスビジットの実施有無によってはもっと必要になってくる部分です。


 

学費:142,000ドル

Pre-school費用 3,000ドル

フィールドトリップの費用(宿泊費、航空券): 10,000ドル

保険料(大学指定): 150ドル/月×20カ月 = 3,000ドル

教科書代:2,000ドル


大学関連費用 合計: 約1,600万円


大学関連の費用の大半はなんといっても学費です。近年、どこの大学もMBAの学費は高騰しており、トップスクールほど学費は高くなる傾向にあります。


更に、学費以外にも様々なコストがかかってきます。大きいところでは、MBA入学前のPre-School(英語の授業)、教科書代や保険料、フィールドワーク系のカリキュラムを受講する場合の費用もばかにはなりません。


私の通っていた大学では、ニューヨークやシリコンバレーでの企業訪問や、ハンズオン型のコンサルティングの授業が必修でしたので、航空券と現地滞在費用だけで10,000ドルがかかりました。


学費のみを必須費用として見込んでいると思わぬ落とし穴があるので、大学の開示しているトータルコストを確認する方が安全です。


 

引越し&生活のセットアップ: 約70万円

渡航費用(宿泊費、航空券): 20万円 × 3回(留学期間中に2回帰国)

家賃(寮): 月1,300ドル× 20カ月=26,000ドル

家賃以外の生活費: 月1,500ドル× 20カ月=30,000ドル

娯楽・イベント系: 約10,000ドル


生活費 合計: 約790万円


単身での海外留学であり、現地での住居もオンキャンパスの寮に住んで生活費は抑えられた方だと思っていますが、日本と同じ生活水準を維持しようと思うと結構大変でした。

肉や野菜はスーパーやコストコで安く手に入るので、友人とBBQをしたりするのは安上がりなのですが、食事はほぼ外食の生活をしていたので普通の食事に毎回10ドル以上かける生活でした。

また、MBAではクラブ活動やイベントも様々なものが催されるので、週末のパーティの費用や、休暇シーズンでのスキー旅行や日本への旅行など、クラスメイトとのソーシャルな活動にかかる費用もばかにはなりません。


準備費用、大学関連費用、生活費を合計すると、トータルで250 + 1,600 + 790 = 2,640万円がかかった計算になります。


上記はあくまで単身で留学した場合の実際の費用ですので、家族を同伴する場合等は3,000万円くらいをコストとして見積もっておく必要があると思います。


 

上記の通り、海外でMBAを取得する為に、トータルで2,600~3,000万円のコストがかかります。


では、この費用を回収するのに何年かかるでしょうか?


多くのビジネススクールでは、卒業生の平均年収やその後の昇給率についても公開しています。


私の母校の場合ですと、入学前の生徒の平均年収は約700万円で、卒業後は約1,200万円で、卒業3年後の平均年収は約1,600万円とされています。

MBA卒業後入社した場合は、給与とは別にサインニングボーナスが貰えることもあります。


産業や職種によってばらつきはありますが、卒業後のベース給与は外資コンサルティングで1,200万円、GAFAや外資金融金融機関であれば1,500万円くらいからのイメージですので、大学の公開している数字に大きな違和感はありません。


もし、入学前の年収が700万円で卒業後年収を1,500万円と仮定すれば、年収の増額幅は1,500 - 700 = 800万円です。


実際の費用を回収するということであればその回収期間は2,500 ÷ 800 ≒ 3年程度で回収できることになります。


MBA期間中の休職中の給与を機会費用として考慮すれば、(2,500 + 700 × 2 ) ÷ 800 ≒ 5年程度を回収に要することになります。


回収に要する3~5年を長いと考える方もいるかもしれませんし、アップサイドが回収後も続くと考えれば非常に割の良い投資と見ることもできると思います。


※IRRを計算しようと思いましたが、MBAの前後での仕事の負荷などApple to Appleでは比較できないと思いやめました(笑)


いずれにせよ、決して小さくはない投資ですし、多くの学生はローンや家族への借金をして留学にチャレンジすることになるので、金銭面以外でもMBA留学を通じて実現したいビジョンというものが必要になってくるのだと思います。



今回の記事が、私費での留学を検討されている皆さんの参考になれば幸いです。



目次:MBA関連記事





閲覧数:125回

最新記事

すべて表示

Comments


ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

illust553 (1).jpg
bottom of page