日本のビジネスパーソンの間でMBAに関する人気が高まっています。
特に、コロナの影響によるリモート勤務で自由時間ができたことで、自由時間を将来のキャリアの為に利用しようという方が増えているようです。
一方で、「MBA」という言葉を聞いたことがあっても、「MBA」が具体的にどのようなものか正確にわからないという方もいらっしゃると思います。
私は海外のMBAプログラムを卒業しており、その前は国内MBAの単科生として受講した経験があります。
本記事では、わかるようでわからない「MBAとは何か?」について説明したいと思います。
MBAとは何か?
MBAでは何を学ぶのか?
なぜMBAが求められるのか?
海外MBA留学
国内で学べるMBAプログラム
MBAとはMaster Business Administrationの略称です。
日本語に訳すと「経営学修士号」また「経営管理修士号」であり、経営学を学ぶ大学院の修士課程を修了することにより与えられる学位です。
日本よりも学歴が重視される欧米の大企業では、CEOやCFOなどの経営幹部の多くがMBAを取得しています。
MBAは未来の経営者を育成するカリキュラムであり、学生は経営全般に関する知識を体系的に習得することができます。
経営者として必須の知識である、経営戦略・財務・会計・マーケティング・経済学・統計学・リーダーシップなどが共通する科目であり、それらの科目を座学だけでなく、ケーススタディやディスカッションを通じて習得していきます。
最近では、ファイナンスに特化したカリキュラムや、データ分析やAIに特化したカリキュラムも登場しています。
MBAでは知識の習得だけでなく、海外のビジネスパーソンとのリレーションを構築することができるのもメリットです。
特に日本のビジネスパーソンの間でMBAへの注目が溜まっている背景とて、「経営」に対する認識の変化というものがあります。
高度経済成長期の日本企業では、新卒一括採用により雇用した従業員を係長→課長→部長→役員として育成することが一般的で、そうしたOJTによる育成システムが機能していました。
しかし、インターネットをはじめとした技術の進歩や、経済のグローバル化により、現代の経営者は急速な変化を伴う外部環境に対応することが求められます。
経営人材は、未知の問題に対して、高度な専門性と論理的思考力をもって解決することが求められます。20代~40歳前半のうちに、経営全般の知識を満遍なく習得し、経営者候補として必要な修羅場を経験した「プロフェッショナル経営者」が求められるようになっているのです。
そうしたプロフェッショナル経営者候補を養成する機関とカリキュラムが、ビジネススクールでありMBAなのです。
日本では大学院は研究者養成機関という認識が強く、以前はMBAを取得するためには、海外のビジネススクールへ留学することが一般的でした。
特に、日本では大企業を中心として有望な社員の授業料や生活費を援助する「社費留学制度」があり、日本経済が好調な時代は、多くの優秀な日本人ビジネスパーソンが派遣されていました。
(現在は、日本人の留学生比率は減少傾向にあり、中国やインドからの留学生が増加しています。)
海外のMBAプログラムはハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学などの有名校を筆頭に長い歴史と知名度を有し、卒業後のキャリアの幅も広がるため、数千万円という費用にも関わらず、世界中の多くのビジネスエリートが集まっています。
2000年代以降は日本での経営学が学べるビジネススクールの数も増えてきています。
ビジネススクールは文部科学省の承認を取得している大学院であり、一橋大学や筑波大学などの国立大学、慶応義塾大学、早稲田大学、立教大学、名古屋商科大学、グロービスなどの私立大学がMBAプログラムを提供しています。
それ以外にも、一部の海外の大学では日本からオンラインの受講で海外MBAが取得できるプログラムも用意されています。
MBAには全日制として平日の昼間に通学する「フルタイムMBA」と、社会人が仕事をしながら夜間や週末に通う「パートタイムMBA」が存在します。
その他にも、シニア層のビジネスパーソンを対象とした「エクゼクティブMBA」や、オンラインで授業を受講する「オンラインMBA」も存在します。
また、グロービスなどの一部の大学では、MBAの科目を1科目から受講できる単価コースも提供しています。
近時の日本では特に、仕事をしながらキャリアや収入を途絶えさせず通うことのできる「パートタイムMBA」の人気が高まっています。
今回の記事では、「MBAとは何か?」について説明いたしました。
本ブログでは、他にもMBAに関するブログ記事を執筆していますので、MBAを検討されている方の参考になれば幸いです。
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