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海外MBAで得られるもの②:マネージャーに必要なソフトスキル

更新日:2022年5月30日


前回の記事では、海外MBA留学のメリットのうちハード面(ナレッジ)について説明しました。海外MBA留学では体系的なカリキュラムと学びを促進する仕組みにより、経営に関する知識と経営管理能力の向上を図ることができます。しかし、海外MBA留学のメリットはソフト面でのメリットがはるかに大きいです。

今回から6回に亘り、ナレッジ以外のソフト面でのメリットについて説明したいと思います。

今回は、マネージャーとして必要なソフトスキルについてです。


 

1. チームワーク・リーダーシップ

2. 自己表現力

3. ハードワークへの耐性

4. 戦略効果を科学的に分析するスキル 

5. 情報処理能力

6. プレゼンテーション力


 

海外MBAの授業においては、非常に多くのグループワークの機会が与えられます。

グループワークにおける貢献については、他のチームメンバーからも評価され、グループワークのクオリティだけでなく、チームの中でどう振る舞ったかが評価されます

多くの生徒は卒業後、何らかの組織に所属し、チームの一員としてアウトプットを出すことが求められますので、これらの経験は非常に有用なものです。

会議に積極的に発言することは勿論重要ですが、チームの状況を踏まえて自分がどのような形で貢献するのかという視点も重要になります。

例えば、ファイナンスの授業でファイナンスの知見のあるメンバーが自分ひとりであれば、リーダーとしての立ち振る舞いが求められますし、


自分が全く知見のない分野であれば聞き役に徹して資料作成やプレゼン発表で貢献するな


どのチームメンバーの構成に応じた臨機応変な対応が求められます。

必修科目のなかで異なるメンバーとの数十回のグループワークは、様々なチームワーク・リーダーシップのスタイルについて学ぶ絶好の機会となります。


 

日本のビジネスの世界では、「根回しの文化」が根強く残っており、会議で発言することが必ずしも是とはされません。特に大企業においては、20代の若手社員は重要会議における発言権はほとんどありません。



しかし、海外では自己表現をしない人間、会議で発言しない人間は全く評価されません

海外MBAでは、授業における発言の数と質が成績評価において重視されることになります。授業で一度も発言しなければ、良い成績を取るということは絶望的、最悪のケースでは単位を落としてしまうリスクもあり、生徒は必死で自分なりの意見を表明することになります。(せっかく発言しても、「発言のための発言」と評価されると、マイナスの評価をされることになります。)


多くの日本人学生にとって英語力という点でのビハインドがありますし、最初はなかなか積極的に意見を表明するということは難しいと思います。

しかし、MBAのケースでは日本企業を題材として扱っているものが複数あり、日本人としてどう考えるか?」「背景を詳しく説明してくれないか?」と頻繁に質問されます。

私の場合も例にもれずMBAの序盤は自分なりの意見を表明することに苦労しましたが、徐々に「日本人として」「金融バックグラウンドとして」という軸で他の生徒とは違う視点を提供するという思考のプロセスに徐々に慣れてきました。

日本人としての考え方を内に持ちながら、欧米社会に


ついても正しく理解し、それらの論理のなかで自分自身の考え方を説明する力は、グローバル企業においてマネージャーとしてのバリューを出す上で非常に役に立つと考えます。


 

海外MBAのプログラムは、授業を受講している時間以外にも、グループワークへの参加が求められ、多くの学生はクラブ活動や就職活動など、時間がいくらあっても足りないという状況が続きます。(家族帯同の場合は、パートナーや子供のケア等も必要になります。)


学期期間の後半では、予習や課題で睡眠不足の日にプレゼンテーションをしなければならなかったり、期末は試験が連続したりと、気の抜けない日々を過ごすことになります。

そうした多忙なスケジュールをうまく管理し、それぞれの活動において水準以上のアウトプットが求められるのです。オン・オフの切り替えや、頭の切り替えをうまく行う能力が求められます。


マネージャーとして一般社員以上に求められるハードワークへの耐性を事前に身に着けておくことは、卒業後のキャリアにおいてきっと役に立つものと思います。

日本に帰国して、MBA留学中に一日あたりで学習した時間と濃密さに比べると、日本企業の一般的な業務は非常にイージーなものと感じています。)



 

科学的・統計的に分析するスキルはハードスキルに分類されるかもしれませんが、「ファクトに基づいて課題を解決する姿勢」が身に着くという点でソフトスキルに分類しています。

MBAのケースを解く際は、フレームワークの基本的な考えは理解した上で、データ分析のアウトプットをいかにフレームワークにあてはめるかというアプローチが求めらます。


ケースに書かれている文章を表面的に読んで解を導こうとすると、大体間違った解答にたどり着いてしまいます。参考資料として別添で示されている数字を色々な角度から分析していくことで、意志決定に使うべき数字が見えてきます。

全てのケースに対して適切な解答を導くということは不可


能です。解答と真逆の結論を導いてしまうことも多々あります。


そうした失敗も繰り返していくことで、データやファクトに基づいて分析することの重要性、分析する際にどのような情報が必要かという勘所を身に着けることができるのです。


 

MBAのクラスの予習では、ケースに加えてレジュメや教科書を前日までに読むことが求められます。最低限ポイントを抑えていなければ、授業中に発言することができません。



毎週1科目数十ページの英文を読むことになりますので、4-5科目受講していれば、1週間で本を毎週一冊読むというイメージです。


予習に無限に時間を使えればいいですが、前述した通り、学期中のMBAの学生はグループワークや課外活動で忙しく予習に割くことのできる時間は限定的です。

最初は予習のボリュームに圧倒されて絶望的な気持ちになりますが、徐々に情報処理のスピードは加速していきます。


圧倒的な文章量に毎週立ち向かい続けることで、読むスピード・ポイントを抑える力・理解する力が身についていきます。


 


海外MBAの必修科目の中では、プレゼンテーションの機会が1科目1回程度あります。

プレゼンテーションの時間自体は5分未満の短いものですが、母国語以外の言語で効果的なプレゼンテーションをするのは日本人にとって非常にハードルが高いものです。


一方で、アメリカの学生は幼少期の頃からプレゼンテーション慣れしており、初見の資料についてプレゼンテーションをしろと言われても、それなりのクオリティのプレゼンテーションをします。

彼らはプレゼン中にスクリプトを読んだりしませんし、時にはウイットに富んだジョークを交えながら、身振り手振りを交えて説得力のあるプレゼンテーションを常にします。

彼らと対等に渡り合うために、プレゼン前


日はプレゼンの内容を丸暗記して、身振り手振りも交えて何度も練習することになります。


クラスメイト30-40名の目線が自分に集中する環境の中で、母国語ではないプレゼンテーションをするという経験は、日本人留学生のプレゼンテーションに対する苦手意識を取り除いてくれます


 

上記の通り、海外MBA留学では、経営に関するナレッジだけでなく、経営の各ファンクションを効果的に発揮させるために必要なソフトスキルを身に着けることができます。



※ソフト面でのメリットについては、個人のMBA留学での経験に関して、帰国後の経営企画の業務における有用性に基づいて選定したものです。大学によって授業や課外活動のラインナップやカルチャーは異なりますので、留学を検討される場合は、OB訪問や学校説明会を通じて希望する環境が整っているかを確認することをおすすめします。









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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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