今回の記事では、海外MBA留学のメリットのうち「キャリアチェンジの機会」について説明します。
1. ロケーション、ファンクション、インダストリー
2. なぜ海外の学生はMBAを取得するのか
3. 就職活動ノウハウの共有
4. 海外MBAホルダーを積極的に採用する業界・企業
海外MBAを卒業することによって、今後のキャリアのロケーション(国、場所)、ファンクション(職位、専門分野)、インダストリー(産業)を変えることができます。
ロケーションについては、ビジネスレベルの英語力を習得することで、働くことのできる国・企業の選択肢が飛躍的に増加します。また、海外で働こうとしても国によっては就労ビザの取得が困難ですが、GAFA等の一流企業ではビザの取得をサポートしてくれる企業もあります。そうした企業が支援してくれるのも、「優秀なMBAホルダーを雇用したい」と思うからこそです。
ファンクションについては、海外MBAでは幅広い科目の選択科目が提供されており、入学前はセールスであった学生が卒業後に財務のポジションに移ったり、マーケティングやオペレーションが専門の学生が卒業後に事業開発に移るとなど、多様なキャリアチェンジの機会を得ることができます。卒業後の進路が事業会社の方は、社長室や経営企画などの中枢部門へ移るというケースが多いという印象です。
インダストリーに関していうと、例えば、日本で大学生が新卒で外資系の投資銀行やコンサルティング会社へ就職するのは至難のわざです(超一流大学卒や学生時代に卓越した実績を残していれば可能ですが、面接の機会を得ることですらかなりの難関です。)。海外MBAを卒業することによって、新卒での就職活動や、転職活動でもアクセスできない企業に、チャレンジすることができます。
日本人留学生の場合は一定割合で社費留学生がいるので、必ずしも全員が就職活動をするわけではありませんが、他国のほとんどの学生にとってMBAプログラムへジョインすることの目的は、ずばり「転職」です。
特に、欧米は日本以上に学歴社会であり、より専門性の高いポジションを求めるのであれば、学士ではなく修士以上の学歴が必要となります。また、ジョブ型の雇用が定着しているのでマネジメントというポジションを目指すのであれば、叩きあげで出世の階段を駆け上がるよりも、経営学について体系的に学ぶことが近道ということになります。
また、投資銀行やコンサルティングファームを始めとした高給を提供する職場では、MBAホルダーを積極的に採用しています。
多くのMBAの学生はローンも組んで数千万円を支払って入学するため、それらを回収すべくより魅力的なポジションを目指していくのです。
就職活動については、大学が学生向けに様々なサービスを提供しています。レジュメの作成支援、面接練習、キャリア相談など就職活動に関するサポートは一通り提供されています。大学にとっても、卒業生の進路や給与は、MBAランキングにダイレクトに影響するため、学生のキャリアの希望を実現しようと真剣にサポートしてくれます。
また、課外活動に関する記事でも記載しましたが、海外MBAのクラブ活動への参加することで特定の企業への就職活動に関するナレッジをシェアしてもらったり、就職の決まった先輩にエッセイの添削や模擬面接をしてもらうということができます。
クラブのOBネットワークによりもたらされる情報や、ケース面接への対策情報、転職に成功したOBの履修科目など、秘伝の情報は脈々と受け継がれており、多くの学生がクラブのサポートを得ながら卒業後のキャリアチェンジの確度を高めていきます。
日本企業はMBAホルダーを活用するのが得意ではないと言われます。
一方で、一部の業界・企業では日本で積極的にMBAホルダーを積極的に採用しています。
下記は、積極的に日本でMBAホルダーを採用している企業のうち特に人気の企業です。
私の通っていたRossの卒業生では最大のボリュームゾーンは、コンサル・投資銀行・PEファンドなどの高給&激務の企業が中心でしたが、最近では、将来的な海外勤務を視野に商社やGAFAMなどの企業へ就職する方が増加傾向にあります。特に、最近ではAmazonが破格のオファーを出していると聞きます。
投資銀行:ゴールドマン・サックス、シティグループ、JPモルガン、バークレイズ、モルガン・スタンレー、大和証券、みずほ証券
コンサルティングファーム: マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニー、KPMG、PwC、Deloitte、EY、野村総合研究所
IT: Amazon、楽天、LINE、Apple、Uber、Microsoft、Google
商社: 三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、双日
事業会社: ソニー、ソフトバンク、ファーストリテイリング、P&G
官公庁系: 外務省、日本銀行、国際協力銀行、国際協力機構
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