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執筆者の写真Gary Tanaka

金銭教育:国債とは何か?

更新日:2021年4月9日

国債とはずばり、国の借金です。

政府の主な資金源は税金ですが、不足する場合があります(多くの国では不足することが当たり前になっています)。その場合に、債券という形態の借金で投資家から資金を集めます

国債は主に、民間金融機関や外国政府が購入します。



国債は償還までの期間によって、短期・中期・長期に分類されます。

また、利子がついてくるかどうかによて「利付債」と「割引債」へ分類されます。

利付債の場合は、利子の支払いが定期的になされます。

一方、割引債の場合は利子の支払いはなされませんが、利息に相当する金額が割り引かれた金額で販売されるため、割引分によって投資家は利息と同じ効果を受けることができます。



国債の特徴として、「リスクが非常に低い」ということが挙げられます。

民間企業が発行する社債とは異なり、国債では政府がその支払いを保証するため、その倒産リスクは非常に低いということになります。

ファイナンスの世界では「国債はリスクフリー(リスクがない)」とみなします。



リスクが非常に低いという国債の特徴によって、不景気の場合や、経済の先行きが不透明な時ほど、投資家に国債は人気となります。

一方で、株式市場が好調となったり、経済に対する見通しが楽観的な場合は、投資家は国債を売却して、株式や他の金融商品への投資に資金を振り向けます

このように、国債と株式の間には、「不景気の時ほど国債が人気となり、好況の時ほど株式が人気となる」というトレードオフの関係が成立します。



国債に限らず債券への投資を行う場合に注意すべきなのは、「価格と利回りの関係」です。

債券の価格と利回りは逆の方向へ動きます

債券の保有者には、定期的に決められた利子と、満期時には額面金額が支払われます

これらの金額は、投資家による人気(すなわい市場価格)の影響を受けることはありません。

一方で、債券市場では、その債券の人気に応じて債権の流通価格が変動します。債券価格が安くなると、当初約束された利子や額面金額に対して、流通価格の割合が小さくなるために、利回りが高くなります

逆に、債券が人気で債券価格が高くなると、利子や額面金額に対する流通価格の割合が大きくなるため、利回りが低くくなります


新聞やニュースで「長期金利」という言葉を聞いたことがあると思います。

この長期金利という言葉と、国債は密接に関連しています。

国債などの債券には、新たに発行される「新発債」と既に発行されている「既発債」とがあります

「長期金利」とは、満期日までが10年間の国債が新たに発行された場合の利回りのことを指します。つまり、新発10年国債の利回りのことを「長期金利」というのです。投資家は、短期金利の動向や、将来のインフレ予測や景気予測を踏まえて、新発10年国債の金利を決定します。

長期金利は、金融機関による貸付の際の目安となります。

最も信用リスクの低いはずである国債の利回りに対して、民間企業や個人の信用リスクの差分が、貸付の際にプレミアム(上乗せ)として課されるのです。

具体的には長期金利は、企業への長期の貸付金や住宅ローンの固定金利の基準として金利に影響を与えます。

(住宅ローンの変動金利に対しては短期金利が影響を与えます。)



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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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