金利は資金に対する需要と供給の市場メカニズムによって決まります。
好況の場合は、多くの企業が事業の拡大や設備投資を積極的に行う為、金融機関からの資金調達を積極的に行います。
また、個人も住宅や自動車などの高級品を購入するためにローンを組もうとします。
そうなると、資金の供給よりも需要が上回るため、資金を提供する金融機関の立場が優位となります。金融機関は貸し出しに大きな利息を課すことになり、金利が上昇します。
一方で、不況の場合は企業も個人も将来への不安から資金を使わなくなります。供給よりも需要が少なくなるため、銀行は貸し手を探そうと金利を下げることになります。
金利が市場メカニズムにより決まるのは上述の通りですが、その基準となる金利は中央銀行によって決定されます。
中央銀行とは日本であれば日本銀行、アメリカであればFRB(連邦準備制度理事会)です。
中央銀行や民間銀行に対して資金を貸し付ける「銀行の銀行」としての役割を果たします。銀行は預金者からの調達だけでなく、中央銀行や他の民間銀行からも資金を調達するのです。
その際に、中央銀行の決定する「政策金利」が、銀行同士で資金調達する場合の金利の基準となるのです。こうしたプロセスを経て、中央銀行の決定した短期金利が市場全体の金利の基準となるのです。
中央銀行は短期金利を変動させることで、市場における通過供給量を調整します。
その究極の目的は、景気のコントロールです。
金利が低いと、企業の資金調達が容易となり、設備投資を実施する企業が増加します。
また、投資家も、預金ではなく他の投資に資金を振り向けるため、資産価格が上昇し、景気が改善します。
一方で、金利が高いと、企業も資金調達をしなくなり、投資家も預金額を増加させます。
また、個人も住宅ローンを組むことが困難となり、不動産の価格が下落します。
結果として、銀行に資金が預金として集中することで市場に資金が循環しなくなり、景気が悪化していきます。
こうして、金利高は、景気に対するブレーキの役割を果たします。
中央銀行は、短期金利を上下させることにより、経済や物価の安定を図るのです。
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