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MBA:社費留学選考に通過するために私がしたこと

更新日:2022年5月30日



社費留学制度とは、企業が選抜した従業員を海外のMBAプログラムに派遣し、学費やその期間の生活費は会社が負担するという制度です。


海外で一流校のMBAプログラムに参加するには学費だけでも、1,000〜2,000万円かかります。また、物価の高い海外で、日本と同じような生活水準を維持するとなると2年間の生活費や諸々のコストも加味すると2,000~3,000万円が必要となります。金銭面でのメリットは非常に大きい制度といえます。


勿論、卒業後一定期間内に退職した場合はペナルティがあることもありますが、金銭面でのメリットだけでなく、帰国後には戻る職場が保証されており、中枢部門へと配属されるチャンスも増えるという、会社員にとっては非常にメリットの多い制度です。

一方で、魅力的な制度である分、その倍率というのは非常に高く、企業によっては選考の倍率が数十倍となることもあります。


私も社内選考には何度も挫折して、最終的な結果として留学のチャンスを得ることができましたが、通過するまでに私が取り組んだことをシェアしたいと思います。


中には戦略的に取り組んだものではなく、普段から実施していた取り組みが結果として社費選考につながったものもあります。


勿論企業毎の事情もあると思うので、これをやったからといって社費選考に必ず通過できるということはないですが、このノウハウを後輩に共有したところ、その後輩が高倍率をくぐりぬけ社費選考に通過したという実際の結果も出ています。


ここまで準備して社費選考に臨む人間もいるという一つの参考としてお読みいただければ幸いです。

 

目次


Ⅰ 選考プロセスを理解する

Ⅱ 社費選考に通過した人に話を聞きにいく

Ⅲ 帰国後「絶対に辞めない」ことをアピールする

Ⅳ トップMBAに合格するということを証明する

Ⅴ 応募書類を人に見てもらう、面接の練習をする

Ⅵ チャレンジし続ける

 

まず、一番重要なことは選考プロセスを理解するということです。


①応募時期や、②応募に必要な条件(入社からの期間、試験スコア)、③応募書類で求められる内容は何か、④面談は何回なのか、⑤最終的な意思決定権者は誰かということです。


① ~④については社内選考の募集要項を確認することで情報は入手することができます。

そして、特に重要なのは⑤です。意思決定権者として応募書類に目を通す方が、人事担当者なのか、人事部長なのか、役員なのか、社長なのかで応募書類に記載するべき内容や、準備として取り組むべき内容というのは異なってきます

また、ここで注意すべきなのは、選考プロセス上は取締役会のプロセスを経ることになっていても、実質的には追認の場であることがあるということです。

その場合は、その一つ前のプロセスにて最高の評価を得るということを目標に戦略的に取り組むことが必要になります。

私の場合は複数回落選したこともあり、最後には大まかな応募開始時期から通過の連絡が来るまでのスケジュールを概ね理解しており、通知が来るのだろうなと予想していた日の前日に合格通知を受け取りました(笑)




次にやるべきステップは、通過した人に話を聞きにいくということです。プロセスの理解とも関連しますが、面談でどのような質問が聞かれるか、面談は何人で何分くらいか、どのような応募書類を書いて面接でどのような受け答えをしたかは、選考に向けた準備をするという上で大きなヒントになります。

受験準備中の方では忙しいので対応してくれないかもしれませんが、MBA留学から帰国されたばかりの方はOB訪問にも慣れていますし、自分と同じように挑戦する人を挑戦したいと思うので快く質問に答えてくれることと思います。

私の場合は、社費派遣で通過した方3名と、一度チャレンジして諦めた方両方に話を聞きにいきました。お話をきいたうえで、通過した方の共通点の分析や、諦めた方がどこに難しさを感じたかを聞くことは、非常に良い準備になり安心して選考プロセスに臨むことができました。




恐らくどこの会社でも社費派遣の選考プロセスのどこかで人事部が関与することになると思います。

そして、人事部が一番気にするのは「帰国後に応募者が辞めないか?」ということです。

留学した社員がアメリカでちゃんと勉強をするかどうかや、どの大学に合格するかという点以上にここは重要なポイントです。

人事部としては、せっかく未来のマネジメント候補の育成のために、社費派遣制度を整備して送り出したのに、帰国後辞めてしまったら非常に残念な気持ちになりますし、場合によっては選んだ人事部の方にマイナス評価がつくということもありえます。

帰国後退社した場合にペナルティがあったとしても、一定人数は対価を支払わって辞めてしまうものです。私の知り合いでも、社費留学でMBAに行って、帰国後ペナルティを支払ってでも退職された人は3割程度います。人事部のメンバーもそのことは分かっています。


いかに、自分が「応募者が辞めない人間か」を日頃から周囲にアピールすることが重要です。

私の場合は、週末のボランティアで会社説明会への説明者としての参加し、母校からOB訪問の依頼がある時は積極的に立候補するようにしていました。

また、私の場合は本当に辞めるつもりはなかったので、社内選考に通過した年には、「彼は辞めないと思う」という推薦文を上司と同期に頼んで書いてもらい添付書類として応募書類と一緒に提出しました。

上記の人事部業務に関連したボランティアに限らず、社費選考制度があるような企業であれば、他にも社内での研修であったり、ESGの活動であったり、ビジネスコンテストのような機会があると思います。そうした取り組みに積極的に参加することが社内ネットワーキングにもつながりますし、実際のMBA受験の際にも材料出しをする際に役立つと思います。




Ⅲのところでは人事部にとって重要なポイントを述べました。

人事部との面談と、役員との面談では刺さるものが違うと考えています。

役員クラスの目線は、2,000~3,000万円も投資するのであるか、少しでも投資リターンを回収したい、すなわちランキングの上の大学へ行って学んできて欲しいと思っています。

役員に「こいつを送りたい」と思ってもらうめに、自身の評判が役員に届くまで実績があればそれにこしたことはありません。しかし、大企業であれば、若手が役員に認知してもらうということは非常に難しいと思います。

そうした状況のなかで役員にアピールする一つのツールが、「客観的な材料」を用意することです。

通常の人事評価がそうであるように、同じ社内でも他の社員は自分のことはそんなに見ていてくれません。自分のことをよく知らない相手にアピールするためには、客観的なエビデンスを示すことが一番重要だと思っています。

それぞれの適性に応じて色々なアプローチがあると思いますが、私が社費選考の通過の前の3年間で取り組んでいたことを列挙します。


・業績評価で最高評価を取る

厳しいようですが、ここは最低条件だと思います。私は通過の前の2年間はいずれも最高評価を取得しました。これは自分だけの力ではなく、上司との目標設定時に、自分がMBA応募の為にノルマのクリアではなく、最高評価を取りたいということをしっかり伝え、できるだけ仕事や案件を振って欲しいと頼んだことが大きいと思います。


・資格を取得する

資格はその人のポテンシャルを証明する材料には十分になります。

私は2年間で、「証券アナリスト」「行政書士」の2つを取得しました。金融業界出身でしたので「証券アナリスト」は、追加の勉強をそこまでせずに合格しましたし(2回試験を受ける必要があるので短期の取得が困難な□ですが)、「行政書士」は法学部出身で民法・会社法・行政法の知識はあったので、過去問を2~3周することで50時間未満の勉強で合格しました。

どの資格を選ぶかは、それぞれの適性とバックグラウンドにもよると思いますが、資格を取得するということは自己啓発という点で業績評価にもつながるので、非常にコストパフォーマンスの良い取り組みであったと思っています。


・英語力の向上

ここの証明はTOEICで行いました。勿論TOEFLでスコアメイクできるのがベストですが、TOEFLは受験料も高いですし、Listening/ReadingのみのTOECの方が短期間で点数を上げるのは圧倒的に容易です。TOEFLを応募の要件とされているのでなければ、TOEICのスコアを5点でも10点あげる方がコスパがいいです。

(世間では、TOEIC900点はTOEFL100点で評価されますが、2つの試験が全くの別物ということを、受験勉強が始まった時に思い知らされます。)



MBAを実際に受験する際は、受験コンサルタントをつけて応募書類の添削や模擬面接を面接することが一般的ですが、社費選考の時点でそこまでする人は少ないと思います。

他の人がしていないからこそ、差別化が可能になります。

コンサルタントをつける必要まではないと思いますが、社内選考に合格した経験のある方や、上司・同僚に添削してもらうというのは、文章の体裁をブラッシュアップするだけでなく、どうしたら組織で評価される応募書類を書くことかを考える上で様々な視座を与えてくれます。

私の場合は、上司・同僚・合格者・社外のMBAホルダーに応募書類を確認をお願いしました。

当初一人で書いた応募書類とは全く違う形になりましたが、客観的な眼を通すことで数段階文章のレベルがあがったと思っていますし、自分ひとりの力ではそこまでの文章は書けなかったと思います。

また、社費選考の時点で周囲の協力を得たことは、実際の受験勉強期間で周囲の理解とサポートを得られやすい環境に繋がったというメリットもあったと思います。



もし、その会社に残る前提でMBAに行きたいと思うのであれば、応募資格がある限りはチャレンジし続けるべきだと思っています。そもそも、社費選考に一発で通過するという人の方が少ないということを覚えておいて欲しいです。

社費選考は相対評価の世界なので、応募者の質が低い年は合格のチャンスが高まりますし、簡単には諦めずにチャレンジする方に勝利の女神はほほ笑むと信じています。社費選考通過に向けて、戦略的に仕事やそれ以外の時間を過ごすとういうことはのちのキャリアにも絶対に役立つとお思います。



長文・駄文を最後までお読みいただいてありがとうございました。

最後に私が好きな自助論の言葉で締めくくりたいと思います。


Heaven helps those who help themselves.


この記事が、社費でのMBA留学を目指す方の少しでも参考やモチベーションになれば幸いです。Good Luck!



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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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