「ビジネスの真理に肉薄している可能性が高い」として生き残ってきた30の「標準理論」が体系的、網羅的にまとめられている。
標準理論を各ディシプリンの中で体系的に位置づけながら、実例を交えて紹介する。
DIAMONDハーバードビジネスレビューの連載をまとめたもので800ページの大作にもかかわらず、通常のビジネス本と変わらないという圧倒的なコストパフォーマンスに感動する。
なぜ、我々が経営理論を学ぶ必要があるのかという問いから本書はスタートする。
経営理論は必ずしも正解を与えてくれないかもしれないが、説明に対する説得力を与えてくれ、答えを探す上で必要な汎用的視点を与えてくれる。
内容は「世界標準」ではあるが、入山氏の文章自体は平易に書かれており、学生や普通のサラリーマンでも理解しやすいように構成されている。
MBAの日本人同級生のなかには、「この本を読めば、MBAに来る必要がなかったのでないか」とまで評する者もいる名著。
読み応えは非常にある本ではあるが、自分の興味あるエリアのみを読む辞書的な使い方も有効できる。
MBAの卒業生が、卒業後も本棚に置いておくべき本だと思う。
目次
序章 経営理論とは何か
第1部 経済学ディシプリンの経営理論
第2部 マクロ心理学ディシプリンの経営理論
第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論
第4部 社会学ディシプリンの経営理論
第5部 ビジネス現象と理論のマトリックス
第6部 経営理論の組み立て方・実証の仕方
終章 経営理論のさらなる視座
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