これまで58回の記事でMBAのファイナンスの授業で学んだ内容に、私が実務によって得た知見やビジネスマンとして知っておくべき知識を加えてまとめてきました。
今回の記事では、その復習として全体のエッセンスとなる事項を列挙したいと思います。
この図は第1回の記事で説明した、企業を巡る資金の流れです。
企業はその経済活動を通じて、資本市場から資金を調達して、それを投資に活用して利益を上げて、投資家に対して還元するという資金の流れを生み出すポンプとしての役割を果たすのです。
1. 長期的には、株主にとっての価値の最大化を意識することが、全ての他のステイクホルダー(従業員、取引先、債権者、行政)にとっても利益をもたらすものとなる。
正しい投資の意思決定を行うためのツール
2. 現在価値と将来価値
3. 投資の意思決定に関する指標(NPV、収益性指標、回収期間)
4. 将来キャッシュフローの計算プロセス
5. EVA(経済的付加価値)による業績評価
正しい資金調達の意思決定を行うためのツール
6. 資金調達の手段(株式、負債、剰余金)
7. 債券価格と利子の期間構造
8. 株式価格:利益の成長 vs 価値の成長
9. 資本市場の効率性
10. 分散投資と最適ポートフォリオ
11. β:リスクとリターンのトレードオフ
12. 資本コスト
13. 資金調達の意思決定:最適資本構成
ファイナンスは年齢や役職に関係なく、すべてのビジネスと密接に関連します。
財務部門の人間のみが理解すればいいというものでありません。
また、ファイナンスはビジネスや人生を長期的に考える視点を提供してくれます。
その意味で、ファイナンスは答えの見えない時代を生きる全てのビジネスパーソンにとって強力な“武器”になるはずです。
このブログが、読んでくださった皆さんの理解の助けに少しでもなれば幸いです。
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