企業の階層は大まかに「全社」「ビジネスユニット」「機能部」という階層に分解されます。
経営者はそれぞれの階層ごとに異なる目的を設定することが必要になります。
例えば、全社レベルであれば「企業価値の向上」や「資本の有効活用(ROIC)」といったより抽象的な指標が目標となってきますし、フロントで顧客と接する個々の従業員にとっては「顧客数」や「顧客単価」というより具体的なKPI目標を設定することになります。
それぞれの階層においてどのような目標が適切かについては、事業の特性や機能部に求められる役割によって異なりますので、一般化して説明することは困難です。
しかし、どのような企業であっても目標を設定する際に共通して重要なことは、
「①ある階層の目標の達成が他の階層の目標達成に繋がるか」
「②全社レベルの抽象的な目標と個人レベルの目標達成が関連しているか」
という点です。
特に②については、抽象的な目標と具体的な目標の間には距離があり、その中間に存在するビジネスユニットレベルの目標が双方をつなぐハブの役割を果たしているかを定期的に見直す必要があります。
企業経営においては、経営者が戦略的な意思決定や適切な経営資源の配分を行うためには、コアコンピタンスとその状況を的確に把握しなければなりません。
また、公平な業績評価を実施し、組織内のモチベーションを保つという観点からも、適切な目標設定とフェアな業績評価はマネージャーに求められる非常に重要な役割となります。
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