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MBAファイナンス⑩:IRR(内部収益率)

更新日:2021年4月9日


次に内部収益率(IRR, Internal Rate of Return)について説明したいと思います。

IRRはNPV同様、投資をするかいなかの意思決定をする際の指標です。

IRRの定義を簡潔に定義すると「NPVがゼロとなる時の割引率」です。



以前の例題ではNPVを計算する際、その割引率(資本の機会コスト)は問題文で与えられていました。

しかし、実際にはプロジェクトの割引率がわからない場合という場合があります

その場合は、先にIRRを計算して、後から割引率を推計し、IRRと割引率を比較することで投資の意思決定をすることができます。



具体的なステップは以下の通りです。


① プロジェクトの初期投資額、期間中に発生するキャッシュフローを推定する

② ①からIRRを計算する

③ プロジェクトの割引率を推定する

④ ②で計算したIRRと③で計算した割引率を比較し、IRRの方が大きい場合はプロジェクトを実行する


尚、IRRを計算する際は、金融電卓またはエクセルのIRR関数を使用する必要があります。

(期間が3年くらいまでであれば、方程式を解くことは不可能ではないですがおすすめはしません。)



次に具体例を見てみましょう。


年度        0   1   2   3   4

キャッシュフロー  -4,000 1,500 2,000 1,500 1,000



0年目から4年目までのキャッシュフローを合計すると2,000となります。


従って割引率が0の場合は、NPVは2,000となります。

割引率が上昇するにつれて、NPVは小さくなります







エクセルまたは金融電卓を利用することで、NPVがゼロとなるIRRは19.84%となります。

③で計算した割引率が19.84%以上となる場合は、NPVがマイナスとなりますのでそのプロジェクトは実施すべきでないということになります。









上記の例では、0年目でキャッシュフローの流出が生じ、翌年以降はずっとプラスのキャッシュフローが生じるという前提を置いています。

しかし、キャッシュの流れが時の流れとともにマイナス→プラス→マイナスとなる場合はIRRが複数求まってしまいます。

例えば、以下の場合を考えてみましょう。


年度        0   1   2  

キャッシュフロー  -1,000 2,300 -1,320


この場合、IRRは10%と20%の2つの解答が求まります。

この場合、割引率が10%より大きくかつ20%未満の場合は、NPVはプラスとなります。

しかし、10%未満の場合や、20%より大きい場合、NPVはマイナスとなりプロジェクトは採用すべきではないということになります。


また、IRRは必ずしも求められるわけではありません。

上の例の0年目のキャッシュの流出を少しだけ大きくした次の例を考えてみましょう。


年度        0   1   2  

キャッシュフロー  -1,010 2,300 -1,320


この場合、IRRは求めることができません。

IRRは必ずしも1つに定まるわけではないという事に留意してください。


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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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