前の記事では、デュポンモデルについて説明しましたが、経営戦略を財務情報から分析する別のアプローチを説明したいと思います。
それは、経済的利益(Economic Profit)を分解するアプローチです。
まずは、経済的利益から説明したいと思います。経済的利益は、負債株式で調達した投下資本への必要リターンに比べて、どれほどより多くのリターンを企業が生み出したかを測る指標です。
そして、NOPATと資本は下記のように分解することができます。
つまり、経済的利益は
として表現できるのです。
それぞれの要素が意味するところは下記になります、
税率:税金の支払を抑えるための工夫をどの程度行っているのか?
売上原価/売上高:原価率を抑える工夫をどの程度こなっているか?
販管費/売上高:販管費を抑える効率的なオペレーションをどの程度行っているか?
資本/売上高:売上を生み出すために資本をどの程度効率的に活用できているか?
市場規模:どのマーケットでビジネスを行っているか?
市場シェア:マーケットでどのようなポジショニング戦略をとっているのか?
上記の公式を分解し、経営戦略上の強みとなる要素を紐づけたものが下記の図になります。
分析対象企業がどのように財務上の優位性を築いており、その背景にどのような戦略上の優位性があるのかを理解するヒントとなるのです。
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