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MBAファイナンス㉙: 3つの利回り

更新日:2021年4月9日




債券に対する利回りは下記の3つがあります。


例として、額面1,000万円、満期5年、利払年40万円の債券が、市場で927.1万円で売買されている場合を考えてみましょう。



①  表面利回り

これは年間のクーポンが、額面に対してどれだけ支払われるかを示す指標です。このケースですと、

40 / 1,000 = 4.0% となります。


②  直接利回り

これは年間のクーポンが、購入価格に対してどれだけ支払われるかを示す指標です。このケースですと、

40 / 927.1 = 4.31% となります。


③  最終利回り (YTM: Yield to Maturity)

最終利回りは、満期まで当該債券を保有した場合に得られるリターンを測る指標です。その債券を満期まで保有した場合に得られるIRR(内部収益率)であり、その債券に投資した場合のNPVがゼロになる利回りを指します。


※ IRRの理解が怪しい方は過去の記事をご確認ください。

現在の債券価格である927.1万円は、将来のクーポンと額面金額を割引率r(rはrateの略)で割り引いた金額であると言えますので、


927.1 = 40/(1+r) + 40/(1+r)^2 + 40/(1+r)^3 + 40/(1+r)^4 + 40/(1+r)^5 + 1000/(1+r)^5


金融電卓を使ってrを求めると、r=5.717%となります。

なぜ、③で求めた最終利回りは、②で求めた直接利回りよりも高くなるのでしょうか?


最終利回は満期まで債券を保有した場合のトータルでのリターンになります。

一方で、直接利回りは債券の購入後1年目で得られるリターンのみを考慮していることになります。直接利回りでは、「満期で1,000万円を受け取るために、927.1万円しか支払っていない」という事実が考慮されていないのです。

今回の記事では、3つの金利があると説明しましたが、今後は債券の金利という場合は、特別な説明ある場合を除き「最終利回り(YTM)を指します。

上記の例で、金利が4%や3%に低下した場合の債券価格はどのように変動するでしょうか?

それぞれ金融電卓で計算することができますが、4%と金利と額面利回りが一致した場合に、債券価格と額面価格は一致します。


一方で、金利が額面利回りを下回った場合、その債券価格は額面金額を上回ることになります。 

それぞれの関係を示したものが下記の通りです。




債券価格が額面価格を下回る場合を「ディスカウント」、上回る場合を「プレミアム」、等しい場合を「パー」といいます。

金利と債券価格の関係ですが、両者は「逆の方向に動く」ということを覚えておいてください。

金利があがるということは、債券の価格が低下するということを意味します。

そして、既に債権を保有している投資家にとっては、金利が変動するということは、キャピタルゲインまたはキャピタルロスが発生していることを意味します


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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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