top of page
執筆者の写真Gary Tanaka

MBA経営戦略⑰:国際化戦略の類型

更新日:2021年4月9日


グローバル化の目的は下記の4つに大別されます。


仕入先と供給先の拡大:仕入先や供給先等の取引先の数を増やすことは、事業リスクの低減につながりますし、より取引条件の良い相手を見つけることができれば収益性を改善することができます。


市場の拡大と開拓:このメリットが一番イメージしやすいと思います。新たな顧客・消費者を開拓することで、売上を拡大することができます。


競争の状況:より競争の少ない産業や地理的エリアに進出することにより、ビジネスの成功確率を高めることができます。その領域において、自社の「価格優位性」や「差別化」を実現できるのであれば、その市場では成功確率を高くなります。


既存のコアコンピタンスの活用、学習効果:自社のコアコンピタンスが、他の国・地域でも通用するのであれば、積極的に活用するべきです。また、他の国・地域の商習慣やノウハウを学ぶことにより、自社のコアコンピタンスを強化することができます。


グローバル化を検討する場合は、上記の目的を踏まえた上で、「既存の国・地域にとどまり続けるメリット・デメリット」と「新たな国・地域に進出するメリット・デメリット」を比較してどちらがベターな戦略かを判断することになります。

 

グローバル化を実行する戦略は以下の4類型に分類されます。


トランスナショナル戦略:グローバル規模のビジネスによるスケールメリットの効率性と、個別市場への最適化によるメリットを両立させる戦略。現地への権限移譲とグローバル本社によるコントロールを両立する。


グローバル戦略:世界全体を一つの市場としてみなし、全世界で統一水準の商品とサービスの提供を目指す。本社が、各国の拠点を強い権限でコントロールする。


マルチドメスティック戦略:各国の拠点にてそれぞれ独立したオペレーションを構築し、各国の拠点は個別市場に適合した商品を提供する。各国子会社がそれぞれ独立した権限を有する。


母国複製戦略:母国向けの商品・サービスを、マイナーチェンジのみで他国への輸出を目指す。事業は本社の国際部門のビジネスとして行う。


どの戦略を採用すべきかについては、個別市場への適合の必要性、グローバル規模での効率化によって下記のようにプロットすることができます。


次の記事:第18回

前の記事:第16回


閲覧数:808回

最新記事

すべて表示

Commentaires


ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

illust553 (1).jpg
bottom of page