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MBAファイナンス㊷:金融商品のリターンと分散投資

更新日:2021年4月21日


企業が資本市場が資金を調達することは、過去の記事で述べた通りです。

これから数回の記事では、投資家の目線からのファイナンスについて説明したいと思うます。


資本市場には様々な種類の金融商品があり、投資家はそのなかから自分たちの期待するリターンや、リスクに対する選好に応じて投資する対称を決定していきます。


まずは金融商品のうち、最も一般的な投資対象である株式と債券のリターンについて説明します。


1年間の株式のリターンと債券のリターンはそれぞれ下記のように表現することができます。



上記は単年度のリターンですが、複数年のリターンを計算する場合は算術平均ではなく、幾何平均を用いることになります。


例えば、ある株式の価格が現時点で100 → 1年後:120 → 2年後:100と変動した場合、2年間で株価は変動していませんので幾何平均は0%となります。


一方で、算術平均を用いてしまうと、1年目のリターンは(120-100)/100=20%, 2年目のリターンは(100-120)/120 = -16.7% となり、2年間の算術平均は(20-16.7)/2=1.65%となります。

2年後に金額が変化していないのに1.65%がリターンとなることがおかしいことはご理解いただけると思います。





アメリカにおける、金融商品タイプごとの1917年から2016年の100年間のリターンと標準偏差は下記の表の通りとなります。


上記の表に記載されている標準偏差とは、データがどの程度ばらついているかを示す指標です。

標準偏差が大きいほど平均値からのばらつきが大きくなり、投資としてのリスクが大きくなることを意味します。


この表を見るといくつかの疑問が浮かんできます。


  • なぜ、株式のリターンは債券のリターンに比べて高いのでしょうか?


  • リターン・リスクが異なる中で、あなたは株式に投資すべきでしょうか、それとも債券に投資すべきでしょうか?


  • 財務省短期証券のリターンは他の金融商品に比べて低いのに、それでも購入する人がいるのはなぜでしょうか?


これから数回の記事で上記の問いに対して説明していきたいと思います。


 

投資家が投資をする際に目指すことは、より高いリターンを得るということです。


上記の金融商品別リターン・標準偏差の表で一番リターンの高い金融商品は小型株です。

では、あなたはすべてを1つの小型株に投資すべきでしょうか。


小型株の標準偏差を見てみると、全ての金融商品タイプのなかで一番リスクが大きい(標準偏差が大きい)ということがわかります。


小型株への投資は高い平均リターンの代償として大きなリスクを伴うのです。


一方で、投資家としてはリスクを極力避けたいものです。


「高いリターン」と「小さいリスク」といういいとこ取りを実現してくれる魔法の手法が「分散投資」です。


投資の格言に、「持っている全ての卵を一つのカゴに入れてはいけない」というものがあります。


卵を一つのカゴに入れていた場合、そのカゴを落としてしまうと、全部の卵が割れてしまうかもしれません。

一方で得、複数のカゴに分けて卵を入れておけば、そのうちの一つのカゴを落とし卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵が割れることは回避することができます。


金融商品に対する投資をする際にも同様のことが言えるのです。

ポートフォリオを多様な金融商品によって構成することで、投資家はリターンを維持したままでリスクの一部を減らすことができるのです。


次の記事では、この分散投資について具体的に説明していきます。




次の記事:第43回

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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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