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MBA経営戦略⑮:垂直統合、商品多角化

更新日:2021年4月9日


 

垂直統合とは何か?

垂直統合のメリット・デメリット

商品多角化とは何か?

商品多角化のメリット・デメリット

商品多角化を検討するべき事項

 

垂直統合とは、自社の仕入先や販売先とのM&Aや業務提携を行うことにより、事業領域の拡張を行うことを意味します。


垂直統合には、原材料の調達力強化などを目的として上流方向へ展開する川上統合と、販売強化などを狙って自社事業領域の下流方向へ展開する川下統合があります。

 

垂直統合のメリット・デメリットは下記のようなものがあります。


垂直統合のメリット:

① プロセスの統合による費用削減: 製造プロセス、流通オペレーションの統合により費用を削減することができます。

② 取引コストの削減: 中間業者の排除によるマージンを削減することができます。


垂直統合のデメリット:

① 組織の肥大化による間接コストの増加: メーカー・流通業者で必要となるケイパビリティやマネジメント手法、従業員のインセンティブ等は異なります。また、組織が肥大化することで意思決定のスピードが失われたり、事業者間の緊張関係が失われることで「改善」が起こりづらくなるなどの予期せぬ副作用が生じることがあります。


 

商品の多角化とは、企業が成長する為に新たな分野に進出し、新たな商品・サービスの開発や市場を開拓することを意味します。

 

商品多角化のメリット・デメリットは下記のようなものがあります。


商品多角化のメリット:

① 新たな成長機会: 特に既存ビジネスの成長の限界が見えている場合、新たなビジネスに参入するということは成長を持続する上で必須となります。

② リスクの低減: 特定のビジネスに依存するということは、企業のリスクを高めることになります。複数のビジネスを展開することで、外部環境の変化によってどれか一つのビジネスが衰退しても、他のビジネスに転換することにより企業としての生存確率を高めることができます。

③ 購買力の強化: 購入量が増加することにより、仕入先への交渉力を高めることができます。

④ 範囲の経済性: 間接部門など、異なる複数の事業の共有可能なコストを一元化することにより、経営の効率化を図ることができます。


商品多角化のデメリット:

① 規模の不経済: 規模を拡大することで、必ずしもコストを削減できるわけではありません。間接機能の統合や、購買力の強化等のメリットを実現できなければ、寧ろ生産性や効率性を低下させることがあります。

② 範囲の不経済: 複数の事業が相互にネガティブに作用することで、1つの事業を展開していた時に比べて非効率性が生じることがあります。

③ 戦略の希薄化によるデメリット: 複数の事業を展開すると、1つの事業を展開していた時に比べ、特定の戦略にフォーカスすることが困難になります。それにより、企業内でのコンフリクト(利益相反)のリスク、イノベーションが生じにくくなるリスク、従業員のモチベーションの低下、意思決定における妥協などのデメリットが生じます。

 

上述の通り商品多角化にはメリット・デメリットがあり、多角化すべきかどうかを検討する場合下記の事項を検討する必要があります。


・顧客に提供する付加価値は何か、企業のコアコンピタンスは何か?

・新しい事業への展開は、現在のコアコンピタンスに対してポジティブな影響をもたらすか?

・具体的に、商品多角化のメリットが実現できるか? 「シナジー」という曖昧な言葉で満足せず、具体的な言葉と数値で検討できているか?

・他社との業務提携やジョイントベンチャー、ライセンシングという選択肢よりも、自身で新事業を展開することがベストな選択肢か?

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目次:MBA経営戦略






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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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