7回にわたり海外MBA留学のメリットについての記事を書いてきましたが、最終回はMBAスクールの一員となることで得られるネットワークについて書いてみたいと思います。
ビジネスの世界では、イノベーティブで創造性を発揮するには多種多様な人材との緩やかなつながりが必要であると言われます。
この点は入学するまでは実感しにくいものですが、今回の記事がMBA留学を検討する方々のご参考になれば幸いです。
1. 教授陣とのネットワーク
2. クラスメイトとのネットワーク
3. 同窓生ネットワーク
海外MBAの教授と学生の距離感というものは、日本のそれとは大きく異なります。
一学年の学生数が多くないということもありますが、教授は生徒の名前も憶えてくれますし、授業外でも様々な相談に乗ってくれます。特にその大学を卒業している教授は母校愛が強く、授業を受講していなくても相談に乗ってくれることもあります。
私もAction-Based Learningのプロジェクトでは、行動経済学についての知見が必要だったのですが、行動経済学を専門とする教授にネット経由でコンタクトすると快くミーティングをセットしてくれて、様々な助言を与えてくれました。
そして、多くの教授が個人的な連絡先を公開していますし、LinkedInやFacebookで生徒と繋がってくれます。教授はそうしたSNSを通じて、研究成果等を発信していますので、彼らと繋がっていることで、最先端の経営理論にキャッチアップすることができるのです。
※ やや穿ったか見方かもしれませんが、教授にとっても学生・卒業生は将来の潜在的な調査対象やクライアントになる可能性があるので、生徒とリレーションを維持し続けることはメリットがあるのだと思います。
他の記事でも書きましたが、海外MBAに通う生徒は倍率数倍の選考を通過しており、総じてスペックが高いです。MBAに入学前もビジネスの世界で一定の成果を出しており、彼らの多様な知見を吸収できることは海外MBAに通うことのメリットの一つです。
彼らは卒業後、社費留学の場合は派遣元の重要なポジションにつき、転職する学生の場合は一流のコンサルティングファームや投資銀行へと転職していきます。
現時点でそこまで直接的なメリットを感じることはできていますが、ビジネスの最前線で活躍する同志の存在は頼もしいものであり、刺激にもなります。
きっと、このクラスメイトとのリレーションというものは、彼らも私も職場で意思決定権者になってこそその価値をもたらしてくれるものだろうと思っています。
MBAに入学してから想像していた以上にその価値を感じたのが、同窓生とのネットワークです。MBAスクールでは学生・卒業生専用のSNSがあり、ほぼ全ての学生・卒業生が個人の連絡先を記載しているため、彼らとダイレクトに繋がることができます。
お互いに面識がなかったとしても、同じMBAスクールを卒業したという共通項を持っていることで、心理的ハードルを感じることなく繋がることができます。
私も他業種の方の専門的な知見を伺う必要があり、その業種で働く同窓生にメールを送ったところ返信率は今のところ100%です(都合が合わずミーティングまではできなかった方もいますが)。
私も見知らぬ方でもRossの卒業生としてコンタクトしてくれた方に対しては、原則的に返事をするようにしています。
見知らぬ方からのコールドコールとは異なり、お互いに同じようなスペックや知見を持っているという前提のもと、同じビジネススクールのOBであることが「ある種の品質保証」の役割を果たしてくれているのだと思います。
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