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執筆者の写真Gary Tanaka

MBAファイナンス⑤:現在価値と将来価値 例題

更新日:2021年4月9日


下記のいずれのプロジェクトのうち、どちらのプロジェクトのキャッシュフローの現在価値が大きいでしょうか? 但し、いずれのプロジェクトも割引率は10%とします。


A: 4年後に300ドルを受け取ることができる投資

B: 12年後に500ドルを受け取ることができる投資



Aの投資は4年後に300ドルを受け取れますので、300ドルを(1+0.1)^4で割ることで求めることができます。

PVA = 300 / (1.01)^4 = 204.9ドル

Bの投資は1年後に500ドルを受け取れますので、500ドルを(1+0.1)^12で割ることで求めることができます。

PVB = 500 / (1.01)^12 = 159.5ドル


受け取ることができる金額の額面は、プロジェクトBの方が大きいですが、受け取るタイミングを考慮するとプロジェクトAの方が魅力的であるということが「現在価値」を比較することでわかります。




下記のいずれのプロジェクトのうち、どちらのプロジェクトのキャッシュフローの現在価値が大きいでしょうか? 但し、いずれのプロジェクトも割引率は8%とします。


A: 0年目100ドル、1年目300ドル、2年目200ドル、3年目400ドル

B: 0年目250ドル、1年目250ドル、2年目250ドル、3年目250ドル



いずれのプロジェクトも3年間で受け取る金額は1,000ドルで同じです。

どちらかのプロジェクトが魅力的かについては、現在価値を比較することで判断することができます。


プロジェクトA

PV=100 + 300/(1.08) + 200/(1.08)^2 + 400/(1/08)^3 = 867ドル

プロジェクトB

PV=250 + 250/(1.08) + 250/(1.08)^2 + 250/(1/08)^3 = 894ドル


受け取ることができる金額の総額は同じでも、プロジェクトBは均等にキャッシュがプロジェクトAは0年目が100ドルしか受け取れず、3年後のキャッシュフローが400ドルと一番小さくなっています。均等にキャッシュの発生するプロジェクトBの方が魅力的な投資となっています。



現在価値、将来価値のいずれを比較しても同じ結論になりますが、比較する場合は現在価値を使用することをおススメします。

現在価値は時点が本日と常に一定であり、現在価値の方が時間の割引という考え方をより捉えたものであるからです。


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ブログ管理人:田中ゲイリー

東京都出身。東京大学卒業後、都内金融機関にて投資銀行業務に従事。その後、米国へ留学しMBA(経営学修士)を取得。現在は、上場企業にて経営企画業務に従事する傍ら、副業としてITスタートアップにてCFOとして関与。
Blog Author: Gary Tanaka

CFO of the IT venture company (Data Analytics)

Finance / Corporate Planning / Ex. Investment Banker

University of Tokyo (LL.B) |

University of Michigan, Ross School of Business(MBA)

Tokyo, Japan

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