下記のいずれのプロジェクトのうち、どちらのプロジェクトのキャッシュフローの現在価値が大きいでしょうか? 但し、いずれのプロジェクトも割引率は10%とします。
A: 4年後に300ドルを受け取ることができる投資
B: 12年後に500ドルを受け取ることができる投資
Aの投資は4年後に300ドルを受け取れますので、300ドルを(1+0.1)^4で割ることで求めることができます。
PVA = 300 / (1.01)^4 = 204.9ドル
Bの投資は1年後に500ドルを受け取れますので、500ドルを(1+0.1)^12で割ることで求めることができます。
PVB = 500 / (1.01)^12 = 159.5ドル
受け取ることができる金額の額面は、プロジェクトBの方が大きいですが、受け取るタイミングを考慮するとプロジェクトAの方が魅力的であるということが「現在価値」を比較することでわかります。
下記のいずれのプロジェクトのうち、どちらのプロジェクトのキャッシュフローの現在価値が大きいでしょうか? 但し、いずれのプロジェクトも割引率は8%とします。
A: 0年目100ドル、1年目300ドル、2年目200ドル、3年目400ドル
B: 0年目250ドル、1年目250ドル、2年目250ドル、3年目250ドル
いずれのプロジェクトも3年間で受け取る金額は1,000ドルで同じです。
どちらかのプロジェクトが魅力的かについては、現在価値を比較することで判断することができます。
プロジェクトA
PV=100 + 300/(1.08) + 200/(1.08)^2 + 400/(1/08)^3 = 867ドル
プロジェクトB
PV=250 + 250/(1.08) + 250/(1.08)^2 + 250/(1/08)^3 = 894ドル
受け取ることができる金額の総額は同じでも、プロジェクトBは均等にキャッシュがプロジェクトAは0年目が100ドルしか受け取れず、3年後のキャッシュフローが400ドルと一番小さくなっています。均等にキャッシュの発生するプロジェクトBの方が魅力的な投資となっています。
現在価値、将来価値のいずれを比較しても同じ結論になりますが、比較する場合は現在価値を使用することをおススメします。
現在価値は時点が本日と常に一定であり、現在価値の方が時間の割引という考え方をより捉えたものであるからです。
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